今日は人生初めての日だったなんて

好奇心がある限り心を文字で表すことは大切です。日記を書きます。

明日、晴れますように

f:id:anzufig:20220116103009j:plain

山の天気は変わりやすい。

ジャンボタクシーでスキー場に着いたのは正午ちょうど。

そこから3時間ほど歩けば小屋に着く。

その時は風もなく真っ青な空だった。

 

スキー客の間を縫って登山口へ進み、そこでアイゼンを装着する。

スパッツも上着も駅の待ち時間に着こんでいた。

アイゼンは手持ちの6本爪のものでは危険なので、

今回は遠くに住む友人から10本爪のものを送ってもらった。

 

友人は山の先輩なので冬山新参者の私に、

他の用品も色々入れて送ってくれた。

その中にはピッケルが2本あった。

 

去年は2本のストックで登ったので、

一応軽い方のピッケルとストックを持ってきた。

登山口からいきなりの深雪となり、右手にストックを持って歩く。

 

木々に残る雪の造形が自然のなせる技と思うと、

自然は最高の芸術家に思える。

見上げると白い嶺が青い空に映えて光り輝いている。

 

雪景色を堪能して歩いていたが、

目的地の小屋に近づくころ、雲行きが怪しくなった。

しばらく急斜面のトラバース道が続くあたりだ。

神経を使いながら一歩一歩進む。

 

先頭を行くリーダーと最後尾を歩く副リーダーが、

落ちたら下まで行ってしまうので、

気を付けるようにと言った。

確かに斜面側に躓いたら身を止めることはできないだろう。

 

トラバース道をどうにかやり過ごし、小屋の屋根が見えてホッとした頃、

吹き飛ばされるような強風になった。

身体をかがめ風の収まるのを待つ。

それを数回繰り返し、転がるように小屋のテラスに着く。

 

もし、明日もこの天気が続いたら、

山はホワイトアウトになって頂上へは行けない。

山の天気は変わりやすい。

さて、明日はどうなるだろう。

小屋の窓から吹雪の外を見つめ好天を祈った。