車を追突された後、私の車はディーラーの修理工場に入った。
その代わりに同じ車種のレンタカーが保険会社より手配されていた。
その車はピカピカで小さな傷一つなく、
私の6年物のそれと比べられないほど新車っぽい。
私はそれを動かすのが嫌で、
前から決まっていた大切な仲間との忘年旅をキャンセルし、
買物にも歩いて行った。
だから、レンタカーは使わないままずっとガレージにあった。
そこで、とても気になるので、直接レンタカー会社に電話した。
「使わないので返したい」と言ったら引き取りに来てくれた。
すぐ近くの店なのである。
そうしたら、その日、保険会社から電話が入り、
「この度はご迷惑おかけしました」という詫びの連絡だった。
私が、「車はまだ修理中で使わないから返した」と説明した。
相手は修理が完了したと思い、少し驚いた様子だったけれど、
私の行為は保険会社にとってはプラスだったろう。
でも、この町のレンタカー屋さんにしてみれば、
目いっぱい借りていて欲しかったはずだ。
つくづく自分が経済には向かない性格だなと思う。
資本主義社会というものは「消費」が第一なのだ。
使わない車を家に置いていてもお金がどこかで回れば良いのだ。
とても複雑な気持ちになる。