お昼を馴染みのお店で食べてきた。
その店はとても居心地がよく店主夫人とも慣れ親しんでいて、
たべ終わると何かと話が盛り上がったりする。
料理もこれといって美味しいわけではないけれど、
その素朴な人柄の良さで、
ありていの料理でさえ美味しく味わうことができる。
ところが、今日はどうしたことか。
頼んだ料理の何もかもが今までと違って、とても味が濃いのだった。
おかげで完食するのもきつかったほどだ。
私はもともと薄味で関東の濃い味は苦手ときている。
それにしても今日の濃さはどうしたことか?
味見をしなかったのだろうか?
この店は家からも近く今年になってからちょくちょく来ていて、
これからもずっと利用したいと思っていた。
でも、今日のように味が口に合わないと店に行くのを躊躇ってしまう。
どうすればよいのだろうかと食べながら考えた。
こんな場合、「味が濃いです」とはっきり言うべきなのかと。
味の薄さ濃さは個人の好みだ。
この濃さを好きな人もいるに違いない。
自分の好みに合った味の店に行くとしたら、
もうここでは食べられないことになる。
それではお店の人が気の毒だ。
今度行く時は、註文する際に「少し薄味にしてください」と頼んでみようか。
店主夫人との会話がなくなるのは淋しいし、
姿を見せなくなったら彼らも淋しいと思う。
今日も帰りに手土産をたくさん頂いた。
何と有難いことだろう。
とても気のいい人だから気持ちを傷つけたくない思いでいっぱいだ。
親しくなりすぎてなかなか悩ましい問題になった。