整体の友人宅には仕事柄等身大の骸骨がある。
白い骨の彼?は治療室の部屋の隅に立っていて、
私よりはるかに背が高く、その姿にはかなりの迫力がある。
もしも夜に訪れたら知らない人は腰を抜かすかもしれない。
骸骨をよく観察して見ると、
骨は機械のように全身を動かすために合理的に作られていることが分かる。
中でも手のひらや足にはそれを機能的に動かすための指がある。
骨の働きを熟知した友は骸骨の標本を出して詳しく説明してくれる。
手はものを掴んだり指で細かい作業をしたりする。
足の平は手と違い、寝る時以外は重たい体重を支え続けている。
全速力で走ってもしっかりと地面と人を繋ぎいで立っているのだ。
さて、私は今日は患者となって治療台に横になり、足の不調の原因を探ってもらった。
このところ散歩のたびに足の底に激痛が走るようになって困っていたのだ。
その現象は歩いている時に起こり、普段の暮らしの中では無症状である。
そのため原因究明と治療を長く怠っていたのだった。
友人は痛みの原因は腰から来るものが多いと言った。
それで、腰を曲げたり足を曲げたり、全身の施術をやってくれた。
骨の間の神経は専門の器具を使いチェックしてもらった。
その目は私を構成する骨を見ていて、私も自分の足の骨を感じていた。
足の痛みの原因ははっきりしなかったので、しばらく通うことになるだろう。
白い骨の彼にまた会わなければならない。
早く以前のように不安なしに山々を歩いてみたい。
コロナの蔓延もあるけれど、そろそろどこかへ出かけたいと強く思っている。