毎日拭き掃除をする我が家は雑巾がすぐに汚れてしまう。
庭仕事をしたりすると足の裏がどうしても汚れ、
その足で部屋に入るから床に土汚れがつき、
濡れた雑巾をしょっちゅう使ってしまう。
雑巾は半年ほど使い続けるとボロボロになって、
「雑巾ながら頑張ったなあ」と何とも言えない充実感に満たされる。
とことん使い切ったという満足感は雑巾に限らないのだけれど。
今日はその雑巾を手縫いで5枚も縫った。
ミシンで縫うのと比べると、
手縫いの方が柔らかく仕上がり使いやすい。
雑巾にするのはもちろん使い古したタオルである。
つまり、新しいタオルはまず①来客用から②自宅用になり、
ペラペラの洗いざらしになったら③雑巾に格下げされ、
終いには油汚れを拭きとる④ウエスとなって役目が完了するのだ。
タオルの短い全生涯?に4つの役割を果たす。
指先を動かしている間、シルクロードを列車で旅するという動画を流していた。
大分前の番組のようで当然ながらコロナのコの字もないし、
今、問題になっている弾圧の話もない。
旅人は出会った人たちと抱き合って別れ、食事も同じお皿から取っている。
お祭りには人がいっぱいだし、人と人との距離が近い。
シルクロードは行きたかったところだったし、
なぜコロナ以前に旅が実現しなかったのか悔やまれた。
もう行きたいところへ行けない時代になったのだ。
以前のような普通の暮らしは一体いつ実現されるのだろう。
コロナのせいで暮らし方や捉え方が違ってしまい、
それらの人々の隔たりはいつ解消されるのだろう。
また不条理な矛盾のはびこる世の中の動きが、
いつになったらまともになるのだろう。
そんなことを考えながら汗みどろで針を動かしていたら、
気が付くと5枚も縫っている。