最近、出かけたら必ずのように忘れ物をしてしまう。
今日は何ととても高価な電子機器をどこかに置き忘れてしまった。
頭を捻ってもどこで落としたのか置き忘れたのか、
記憶が錯綜して思い出せなかった。
もしかしたら最後に休んだ水場だろうか。
友人と楽しく歩いた岩の山を下り、車に乗り、駐車場から帰路に着いた。
こんな時、最近は忘れっぽくなったので、
発車する前に念のため車の周囲を見てから動くことにしている。
正月に山靴を脱いでそのまま置きっぱなしにしたことがあるからだ。
しばらく走ってスーパーに寄った時、
荷物のそばに置いたと思った電子機器が見当たらなかった。
何となく気がかりで車の中を探してみる。
どこかで置き忘れたらしく案の定どこにもなかった。
体力のある友人が「戻ってみましょう」と強く言うので、
また駐車場に走った。
車を止めると、念のため懐中電灯と水を持ち、
心当たりのある水場まで登り返した。
途中で下って来た女性に尋ねてみたけれど、
下を見て歩かなかったので分からなかったということだった。
友人はもっと先まで戻って探そうと言ってくれ、とても有難かった。
でも、時間がない、彼女は電車に乗って帰らなければならないし、
明日からまた仕事だ。
今から歩き返すと今日の内に家に帰れなくなるだろう。
私はもう諦めることにした。
どんなに高価なものだっていつかは壊れるし、
新しいスマフォも買ったばかりだ。
それを使いこなせばいい。
そう無理やり思って気分を変え、
一緒に心配してくれた遠来の友人に何度も有り難うと言った。