コロナウイルス感染者が日ごと増えている。
もし、この数字が死者の数だとしたら、
人々はパニックに陥ってしまうかもしれない。
まだ無症状者や軽症者がほとんどなので、
どうにか秩序は維持されている。
それだけが頼りの日々が続いている気がして気分が滅入る。
ふと以前に見たドキュメンタリー番組のことが思い出された。
オーストラリアでアナウサギが増えすぎて、
農業被害を避けるため柵を作ったり、巣穴潰しをしたりしたが、
最終的に「ミクソーマ」というウサギノミが媒介する
強毒なウイルスを使って駆除を行ったという。
それが実行されたのは1950年のことだった。
でも、そのウイルスは最初は致死率100%に近かったのだけれど、
年々毒性が強毒から弱毒、そして中間毒と変化し、
個体数は駆除前の20パーセントに回復しているらしい。
だから、今もウサギとの攻防が続いているらしい。
もともとオーストラリアにはウサギはおらず、
英国艦隊から持ち込まれてきたらしい。
その英国もどうやら12世紀辺りに十字軍がどこからか持ってきたものという。
ミクソーマウイルスは宿主としていたウサギが弱ってくると他のウサギに移動し、
自分たちが絶えないようにするというから、
ミクロの世界の種の存続?の仕組みには驚かざるを得ない。
人間は自然界の何もかにもを自分の都合で変えてきた。
そして、手に入れたのは便利さと清潔さと健康な世界だった。
まさか今になってミクロのウイルスに悩まされるとは。
新型コロナウイルスがどこから来たのかは知らないけれど、
ずっと手ぐすねを引いて待っていたのかもしれない。
ミクソーマのように弱毒に変異するのを期待したいが、
それは神のみぞ知ることである。