以前、知人に古代米を頂いていたのでそれを炊くことにした。
古代米とは大昔に栽培されていた古代の稲の品種で、
緑色や赤い色、黒い色をしていてかなり小粒である。
少し値段は高いけれど、健康ブームの影響でお米に混ぜる人も多い。
道の駅やスーパーにも自然食品として売っているけれど、
これは個人が無農薬で育てたもので、いかにも手作りという感じがした。
きっと量産品より体に良いに違いない。
この米をいつものように白米の中に混ぜて炊いてみたら、
かなり籾殻がついたものが混ざっていた。
一つ二つなら避けて食べられるけれど、
口に入れるたびに殻が舌に引っかかって喉に通らない。
きっとうまく脱穀できなかったのだろう。
そこで暇を見つけては古代米を紙に広げ、
もみ殻のついたままの米を丁寧に一粒づつ取り除いてきた。
小さな瓶1本分ほどだから殻付きの粒はやがてなくなった。
もういつでも炊くことができる。
遊び心で選別したからこの作業はむしろ楽しかったけれど、
これが仕事だったら大変だろうなと思った。
臼か何かで引いたお米を完全なものにするため、
こうした単純な作業が続けられたと思うと、
昔の人の忍耐力は本当に凄いと思う。
それにしても人間とは弱いものだ、
お米の中の籾殻一つ美味しく食べることができないのだから。
さて、取り出した籾殻付きの古代米、一つ一つ剝いてみようか。
それとも来年、水に入れて栽培してみようか。
そんなことを思っている。
(写真 右端が取り除いた籾殻付きの古代米、かなりの量だった)