地場産の椎茸がスーパーでとても安く売っていると、
必ず余分に買うようにしている。
安くなった椎茸は、
ちょっと欠けたり褐色のシミがあったりするのも入っているけれど、
値段の安さからすれば断然お得だと思う。
何より今問題になっている食品ロスを減らすことにもつながる。
一袋はそのままで炒め物や煮物に使い、
残りは面倒でも干し椎茸にして保存している。
硬い石づきを少しだけ切り捨て、薄くスライスし笊に広げ日なたに置く。
乾燥した天気の良い日は一日でカラカラに仕上がる。
干した椎茸は掌いっぱいの量が10分の1ほどに少なくなってしまうけれど、
水に戻すとまた膨らみ、
不思議なことに生のそれと比べると味も香りも格段に良くなる。
昔は冷蔵庫もなかったから塩漬けにしたり、こうして乾燥させたり、
色んな方法で食べ物を保存することを考え出したのだろう。
塩漬けは塩抜きで不味くなるし、
味がさらに良くなるという点では乾物が一番だ。
季節のものをいつでも食することができるのは有難いことだ。
瓶詰にした干し椎茸は鍋物やうどんの出しにしても良いし、
お米に混ぜて塩味をつけて炊き込んでも美味しい。
そんなわけで、我が家のキッチンの引き出しには、
スライス椎茸の瓶はいつもある。
とはいえ、干し椎茸の王様は「どんこ」だろう。
丸のままの肉厚椎茸を家庭で干し上げるのは難しく、
どんことなると高価だけれどお店で買わなければならない。
そんな乾物をまとめて買うために築地へ買い出しに行っていた私。
今年は一度も行っていない。
カラカラに仕上がった椎茸を瓶に詰めていると、
あの場外の喧騒が頭を過ぎった。
早くコロナ騒ぎが終わって欲しいものだ。
(写真 少ない時はハーブも一緒に干す)