山奥での二日目の朝である。
目覚めるとすぐに昨夜の残りの冷たいご飯を食べた。
調味料はなく、仲間にもらったカニ茶漬けのもとをパラパラと振りかける。
たったひとりのテントの中は特別な空間だ。
これこそアウトドアの醍醐味だろう。
ソロテントで良かった。
今日は起床時間が決められていてのんびりできないので、
急いでシュラフやマットをしまい、テントの撤収をする。
温かい飲み物も飲まずに、沢の朝をやり過ごすのはとても勿体なかった。
それから、朝露で重くなったリュックを担ぎ、車のある駐車場まで歩く。
今日は知らない山に登る予定だったけれど、
仲間の都合で中止になった。
急遽また別の山に行くことになる。
途中の林道で皆に先に行ってもらい、
ひとり休んで温かいラーメンを作った。
やはり、火を通したものをフーフーと口にすると、
身体はおのずと活性化してくる。
プロメテウスの火は大切なのだとつくづく思う。
さて、この先にどんな景色が待っているだろうか。