大雨の中、車を走らせ家族で温泉へ向かった。
この雨ではどこへ行ってもアウトドアは楽しめない。
そこで頭をひねって考えたのが温泉である。
我が家から100キロ以上、3時間以上も走ると、
結構有名な温泉地がある。
以前は温泉地らしい鄙びたところも見られたけれど、
今はその頃と違いかなりピカピカな観光地になっている。
源泉通りでは、傘を差しながら多くの宿泊客が物見遊山しているが、
浴衣の裾に雨が跳ね上がって気の毒だった。
下を見ると遊歩道の排水溝からは雨水が溢れている。
カメラのレンズも濡れそうだ。
GO TOキャンペーンで来たのか、
若い二人連れは相合傘で楽しそうだけれど、
マスク姿で顔も分からず何となく色気がない。
家族連れの小さな子供もマスクをしている。
持ち時間の1時間で町をぶらつき、
かつて利用していた地元の湯に浸かった。
もちろん無料の湯で客はおらず貸し切り状態である。
湯は熱過ぎて長くは入れないけれど、何とも言えず気持ち良い。
肌もツルリと別の肌になったようだ。
風呂場にいたのはたった10分ほどの時間なのに温泉効果は絶大だ。
湯上りに定番の温泉まんじゅうを食べた。
なるほど温泉がいつまでも廃れないのは、
この飛び切りな気持ちよさがあるからだろう。
軒下で雨を避けながら変わらない味の饅頭にほっとする。
殆どが車中の旅でずっと雨だったけれど、
温泉に来て良かったと思った。
同行のみんなも長旅に疲れただろうけれど、
きっと満足したに違いない。