今朝は4時に早起きし、季節の高山植物を見たくて遠出してきた。
目指す山はわが家から3時間程かかる。
前の晩から出発すれば行程に無理がないのだけれど、
なかなかそうも行かず、結局6時近くの出発になってしまった。
19日に県をまたいだ外出規制が緩和され、
その影響なのか登山口に着くと、広い駐車場は車で溢れていた。
すでに多くの人が花を目当てに気の遠くなるような急坂を、
リュックを背負って歩いているに違いない。
ここはそれほど人を魅了する花の山なのだ。
登山者の車は他県ナンバーが殆どで、
梅雨の晴れ間の休日とあって方々からやって来たのだろう。
最近は多くの人がネットのリアルタイムな情報を調べて来たに違いない。
私もいつもならそうするけれど、今回は何も調べずにやってきた。
ここにはこの時期からお盆頃までは何がしかの花が咲いていて、
決して期待外れはしないし、
毎年来ていることもあって大体様子が分かるのだ。
しかし、今朝の車の多さは初めての体験だ。
天上の楽園に着いたのは歩き出してから何と4時間以上もかかった。
出発が遅かったからとうにお昼を過ぎていたけれど、
狭い山頂広場はごった返していた。
大勢のツアー客もいればグループもいる。
それぞれが満面の笑みを浮かべ、
交互に標識の前で記念撮影をしていた。
聞こえてくるのは楽しそうな声ばかりだ。
長い自粛期間の反動がまるでここに表れているように思える。
空はガスっていて周囲の景色は全く見えなかったけれど、
ピンクのハクサンコザクラが可憐な姿を見せている。
しばらく散歩してひとしきりカメラに収めると、
今年も来ることが出来たという歓びに胸がいっぱいになった。
そして、来年の今頃、またここに来られるのだろうか、
果たして来年、普通の暮らしが出来ているのだろうか、
そんな思いが心を霞めた。