今日は人生初めての日だったなんて

好奇心がある限り心を文字で表すことは大切です。日記を書きます。

子供は現在に生きる、それが生のエネルギー

朝は晴れていたが、午後にはだんだんと空が暗くなり、

昼食後、急いで買い物を済ませると雷音が聞こえた。

雨粒は落ちず、室温は30度近くなって、

蒸し暑さで何もしたくなくなった。

食料品を整理すると、雷雲では庭仕事もできず机に向かう。

 

そういえば都会に住む友人に、

新聞を送ってもらってから、

かなり日が経ってしまった。

もう一度ゆっくり目を通さなければ。

そして、電話して失礼を詫び、感想を述べよう。

 

友人が送ってくれたのは、

コロナ自粛最中の5月5日『こどもの日』の朝日新聞だった。

可愛らしいピンクの文字が印刷され、

全面広告のようなかたちになっている。

 

「あしたを待たされているきみたちへ」という素敵なタイトルで、

コロナ禍のために学校に行けなくなった子供たちへのメッセージが連ねてある。

 

広告主?は建築家の安藤忠雄氏だ。

家にいることを余儀なくされている子供たちへの手紙みたいになっており、

最後に「STAY HOME, KEEP YOUR DREAM」と、

大きなゴシック文字がピンクの白抜きで刷られている。

 

これだけで、作り手がいかに子供たちを愛しているかが分かり、

また、子供を持つ若い親たちが手に取って読み聞かせている情景も目に浮かぶ。

 

面白いことに、その同じ日の紙面の『折々の言葉』が興味を引いた。

朝日を読んでいない私はその連載記事を知らなかった。

 

それは、鷲田清一という哲学者のコラムだ。

 

この日の言葉の引用はフランスの哲学者ブリュイエールという人のもので、

 

 「子供達には過去も未来もない。で、これは我々には殆どないことだが、現在を享楽する」とある。

 

解説によると、

大人の意識は「まだないもの、もうないもの」に向かい、

そういった明日への不安や過去の喪失の不安を感じたとき、

子供が子供でなくなる一歩が始まるというもので、

子供は現在しか頭にないということだった。

 

私も小さな子に昨日の感想を問う時、

答えがないのによく驚いて、

子供には直近のことでさえ、

過去の記憶がないのだと思っていた。

このコラムを見て何かすっきり整理された気がする。

 

前者の建築家のメッセージは最後が英語で締められているので、

ある程度大人に近づいている子供が対象だったのだろう。

 

さて、この二つの記事は偶然同じ日に出たものだ。

どちらも子供がテーマだけれど、

大人の立場から考えた時間のとらえ方だと思う。

 

現在という概念すら持たない小さな子にとって、

今のコロナ禍の日々は、

凄まじいエネルギーとなって蓄えられていくことに違いない。

 

子供たちの未来は子供たちが作り上げていく。

そのエネルギーは子供たちにしかない。

私たちがそうだったように、こうして世代は交代していく。

 

無理やり結論付けたいい加減な感想だけれど、

友人は納得してくれるかなあ。