庭のイチゴは去年豊作だったから、
今年は一休みの年かなあと思っていた。
ところが、ここにきて、
毎朝両手に抱えきれないほど採れるようになった。
大方第一弾は過ぎたけれど、あと数日はなり続けるだろう。
そうして集めたイチゴはデザートに食べる分だけは残して、
ヘタを取り除きさっと洗って冷凍庫に入れておく。
いちいちジャムにするのは面倒なのでまとめてするためだ。
その冷凍イチゴが冷凍庫を占領しそうになっていたので、
今朝はとりあえず第一回目のジャム作りをした。
念のため秤に乗せると1.6キロもあった。
これは大きな深鍋いっぱいになりそうだ。
ジャムは保存食品なので昔の本によると、
砂糖はイチゴと同じ量を入れるけれど、
今回は9割ほどに減らした。
最近はイチゴの風味を生かすためだろうか、
半分ほどと書かかれたものもある。
その場合、保存期間が短くなるのかもしれない。
ジャムは強火で一気に煮詰めるのが肝心らしい。
いつもは弱火でコトコト煮て他の仕事をする私だけれど、
今日は頑張って鍋を離れず木べらを回すことにした。
強火だと焦げてしまうし、アクが鍋から噴きこぼれてしまうからだ。
ずっとお鍋のそばについているのは面倒だけれど、
1年分のジャムのためにはこのくらい我慢しなくては。
イチゴの香りが家じゅうに漂う中、
ラジオの音に耳を傾けながら、
赤いルビーのような色の煮汁をかき混ぜ続ける。
時々浮き上がるアクを玉杓子ですくう。
沸騰すると噴きこぼれるのでとにかく回し続ける。
その時間、約40分だった。
イチゴジャムを煮詰めていると、
家中がこのピンクの泡だらけになった『マーシャと熊』の話を思い出した。
『マーシャと熊』はロシアの子供向けアニメで、
たったひとり言葉を話す人間の子供マーシャと、
他は言葉を話せない熊さんや動物たちのお話だ。
動物たちは話せなくても十分に話が伝わっている。
とても夢のある話が多く、
私は時々癒されるために動画を開いているのだった。
さて、煮沸した瓶も乾いただろうから、
そろそろ瓶詰にするとしよう。