水辺の公園を散歩していたら、魚が何匹も浮いていた。
折しも強い春風で波が岸辺に激しく押し寄せ、
魚の白いお腹がプカプカと揺れている。
数を数えきれないほど夥しく続いていた。
ここをよく歩くけれど、
こんなに沢山の魚が浮いているのは見たことがない。
先月にここを散歩したときは、
あちこちでポチャンポチャンと水面を打ち付ける大きな音がして、
何だろうと首をひねったものだった。
その時は、風もなく静かな日だった。
大きなさざ波の正体はフナの産卵なのだと、
ちょうど出会った親切なご夫婦が教えてくれた。
何だ、そうなのか、よく見ると魚影があちこちにある。
水面下では、
子孫を残すための自然の摂理が繰り広げられているのだ。
それにしても何匹の魚がいるのだろう。
相当数いるに違いない。
あれから3週間ほど経った今日、
今度はその累々とした死骸に驚かされた。
なぜ魚は死んでしまったのだろう。
親切な物知りのご夫婦もいなく、私は不思議に思った。
彼らは魚の名をフナだと教えてくれたけれど、
フナも鮭のように産卵した後、死んでしまうのだろうか。
産卵までが寿命なのだろうか。
だとしたら、自然界とは非情なものだ。
人間は老醜をさらけ出すまで生きていけるのに。
万物の霊長と小さな生物の大きな違いをあらためて思う。
魚の生態を全く知らないので、念のためネットで調べてみた。
すると、フナやコイは10年から14年くらい生きるのだそうだ。
ならば、なぜあんなに死んでいたのだろう。
気になるので役所に尋ねてみようと思っている。
(写真 こんな感じが次々と続いていた)