昨夜はいよいよ憧れのグラナダに着いた。
ホテルは中心部にあったので着後休憩もそこそこにスーパーに行った。
夜から店が開くグラナダの通りは、
歩道にカフェが開かれたりしてとても味わい深い。
寒いのに私たちのような観光客がそぞろ歩いている。
今回のホテルはいつも地元スーパーが近くにあって、
とても嬉しかった。
何せ外国での買い物ほど面白いものはないのだから。
普通のスーパーでは、
チーズやチョコをたくさん買い込むことができたし、
生ハムの原木が林立する光景などに驚かされた。
肉ものは買えないけれど、
ワインは当然目いっぱい3本をすでに2日目にゲットしている。
今日は雨が降ったり小雪が舞ったりの荒れ模様だった。
おかげでアルハンブラ宮殿は凍えるほどに寒かった。
現地ガイドの日本人女性の声をイヤホンで聞きながら、
一つ一つ見物していく。
有名な水面に映る逆さ宮殿は、
全体に空が暗雲のためにはっきりしない。
それでも何枚も写真に撮っては納める。
昔から何度も聞いたことのある、
タレルガの「アルハンブラの思い出」が頭を過っていく。
「ああ、ここに私はいるのだ」と思うと特別な感情を抱いた。
昔、少しだけギターを習い、
この曲も弾いたことがあったからかもしれない。
スペインがイスラムに支配され、
それがレコンキスタ運動(700年続いたイスラム色からキリスト色に)で一掃されるという長くて深い歴史など、
島国の日本人にはなかなか分かりにくい。
そのことを考えつつ邸内を歩いても時間は迫る一方だ。
こういう限られたツアー観光は、
ゆっくり名所を堪能することはできず、
ただ写真に撮るだけになるのが悲しい。
本当は少なくとも1日ないと見られないのだ。
でも、イスラム仕様の建築が未だにこうして残っているのは、
やはり、その群を抜く美しさのせいだったろう。
壁という壁が繊細なモザイクで施されている。
ローマのパンテノンも、
もともとはローマ神を祭る建物だったけれど、
権力者も人民も美には圧倒されるのだ。
だから、ものを残すことこそ文化なのだと思う。
アルハンブラを見終わった後はまたバスに乗って、
午後の観光予定のコルドバへ向かった。
コルドバではレコンキスタで変わっていったモスク(メスキータ)
の見物となる。