一緒に行く隣町の仲良しの友人と電車で待ち合わせ、成田へ向かった。
彼女は電話と違ってズボンだけが登山用で、上はおしゃれなコートを着ていて、
庭仕事用のダウンを羽織った私と差がついた。
我が家からおよそ3時間かかって成田国際空港へ。
去年の10月も成田発だったっけ。
空港に着くと私はまだ胃の調子がひどく重かったため、
自宅で作ってきた軽いお弁当を食べた。
友人はカフェでサンドイッチを買ったから、
店の椅子にふたり座り軽い昼食とした。
その後、広い構内をうろうろと回って時間を潰し、
ツーリストで手続きを済ませる。
出発は五時だけれど、ツアー客はかなり早めの集合となっている。
それからは時間がたっぷりあったので、
ユーロのレートが安い引替所を探してみたが、
どこもほとんどが変わらず1ユーロが126.4円ほどだった。
現金で4万円を換金したら315ユーロになった。
この額は私にはかなり円安と思われた。
同じ彼女とローマに行った時は円高で今とは大分違った気がする。
アラブ首長国連邦の航空会社エティハドのチェックインカウンターはなかなか親切で、
私が片言の英語で「通路を挟んで二人座らせてほしい」と頼むと、
ちゃんと願いを聞いてくれた。
飛行機は前回のエミレーツの2階建てとは違い、
3列3つ並びのこじんまりとした機内構造で、定刻五時に動き出した。
テレビをつけて新作らしいダウントンアビーを見ていたら、
日本語字幕がないのでさっぱり分からず早くも退屈した。
多少の日常会話は分かっても、
こうしたドラマの複雑な会話は聞き取れないから自分の英語力にがっかりする。
2時間もしないうちに苦手な機内食の夕食となり、
頑張って半分は食べたけれど、友人はひとつも残さず完食していた。
食事のたびに食欲のある人が羨ましくなる。
さて、まだまだ10時間以上幽閉された身で我慢しなければならない。
そう思うとぞっとするけれど、
いつもの慣れた友達と一緒なのがそんな思いを緩和させてくれる。
やはり、旅の道連れは気の置けない友達か家族に限る。
どうやら少しは眠れそうだ。