運動を兼ねて今日は車を使わず、
5キロほどの図書館への道を自転車で行くことにした。
最近病んだ近くの友人も毎日ウォーキングを始めたと言うから、
私もとりあえず負けずに動かなくては。
家には自転車が二つあって普通乗るのはママチャリである。
ところが、出かけようとしたらいつもの場所にその鍵がない。
鍵入れには車の鍵や家の鍵がちゃんと入れてあるのに、
その自転車の鍵だけがなかった。
着けっぱなしかと思い外の自転車を調べたけれど、
ちゃんと鍵は抜いてある。
最後に使ったのは近くのスーパーに行った時だったからと、
その時着ていた上着やズボンのポケットを片っ端から探してみた。
意地になって小一時間も探し回った。
でも、見つからなかった。
せっかく健康のためにと決意した自転車外出、
このまま車に替えて行くのは癪だった。
仕方なくもう一台の折りたたみ自転車を取り出すことにする。
これは新車を買った時のサービス品で、
鍵もなければ前カゴもなく、ライトも付いてない安物だった。
空気が抜けていたのでタイヤに空気を入れ、
ウエストポーチに財布を入れて出発した。
小さな車輪の自転車はハンドルを妙に腰を曲げて持たなければならず、
とても走りにくかった。
それでも、どうにか40分ほどで目的地に着いた。
体が熱くなり、ペダルを一生懸命に漕ぐのがなかなか健康に良いようだ。
しばらく新刊の雑誌を読み、暗くなった頃に図書館を出た。
自転車に乗った途端、「べったん、べったん」と後輪から音がする。
進み具合もひどく悪い。
立ち止まってタイヤを指で押すと空気が抜けてスカスカだ。
年に一度も乗らないからゴムがいかれたのか。
仕方なく夜の町を自転車を押しながら歩いて帰った。
空気が抜けてなかったら静かな裏道を運転して帰るのだけれど、
こんな場合、歩道のある大通りが明るくて安全だ。
でも、信号待ちの車の並ぶ歩道を歩いているのは恥ずかしかった。
そんなわけで家に着いた時は、汗びっしょり。
結果的にはいい運動をしたなあと思いながら、
寒々とした浴室など全く気にならず、シャワーを浴びて汗を流したのだった。
やはり、内部燃焼こそがいちばんだ。
それにしても、鍵はどこへ行ってしまったのだろう。
まさかまたこの自転車に乗りたいとは思わないから、
絶対に見つけ出したい。