退屈になったので、熱海駅で途中下車した。
新幹線なら途中下車するには特急券を買い直さなければならないけれど、
普通列車に乗っていれば、どこでも何度でも途中下車できるのだ。
しかも6日間有効だから下車した町で泊まっても使えるという。
ただし100キロ以上の切符でなければならないけれど。
私は今まで列車旅というものは、
途中下車は絶対できないと勘違いしていた。
そのためちょくちょく下車して町歩きをしたい場合は、
青春18切符の売り出し期間を待っていた。
それがネットで切符の知識みたいなものを調べていたら、
このことが分かったのだった。
だから、熱海にちょっとだけ降りて駅前の足湯に浸かり、
土産物屋で蒲鉾などを買った。
下車すると買い物もし易くなるので、
商店街も潤い、嬉しいことだと思う。
熱海からふたたび電車に乗り、今度は新宿で降りた。
二駅も途中下車して大丈夫かなあと、
半信半疑な感じで切符を自動改札機に通すと、
案の定、バーが閉じられて通れない。
表示を読むと「乗り越し料金を払ってください」とあった。
込み合う窓口に並び、事情を話すと、
こうした乗り方をする場合、駅員に声をかけて改札するようにと言われた。
つまり、きわめて人間的でアナログな方法だ。
なるほどコンピュータは例外には弱いのだ。
そう思うとちよっぴり嬉しかった。
さて、今度からは100キロ以上の場所へ行く時は、
なるべく電車を使おうではないか。