久しぶりに近くの山でインスタントラーメンを作った。
山というより公園みたいなところだけれど。
野外飯は私にとっては贅沢な遊びなのである。
このところ忙しくてそんな遊びをする暇がなく、
何となく不満が募っていた。
私は定期的に充電しないと不調をきたす。
野外派の人って皆そうらしい。
前回はいつだったかなと振り返ると、
まだツツジの花がちらほらと咲き残っていた初夏の頃だったようだ。
今日はいつものボッチ飯ではなく、
町内の午前の祭りを見た後、そのまま夫を誘って来たので、
少し勝手が違った。
食べやすいように普段は持たないお椀を用意する。
彼はインドアを何より好む人なので、
コッヘルからでは食べづらいため、
こんなふうに少しばかり気を遣う。
急坂の上りは運動不足を解消するには一番だ。
足取りは重いけれど、少しずつ楽になっていくのがよく分かる。
運動嫌いの夫はしょっぱなから「きつい、きつい」とぼやいている。
その度に叱咤激励する。
お昼に合わせて家を出たので、
歩き始めてしばらくするとランチタイムになった。
急坂の終わった平地に腰を降ろす。
突然思い立った野外飯、
メニューは定番のインスタントラーメン。
これならいつもストックがある。
ただし、お肉もハムもなくて、
葱と竹輪がささやかな具となる。
ゴォーゴォーというバーナーの音が至福の時を演出してくれる。
お祭り会場で買った焼きそばとお稲荷さんは主食で、
ラーメンは半分ずつお椀によそってスープ替わりにする。
あつあつのスープの美味しいことと言ったらこの上ない。
少し身体に負荷をかけたのと自然の中という理由で、
家で食べるのと比べると格段に味が違う。
これこそグルメな食事だ。
先日のいわゆる贅沢?旅では体調を崩したため、
ホテルやレストランの珍しい食事を、
少しも美味しいと思わなかった。
だから、残念なことにほとんど食べなかった。
今日はこんなささやかな食事を、
コウヤボウキの可愛らしい花に見つめられながら、
フーフー言って食べている。
初めは行きたくないと言っていた夫も美味しそうに食べている。
野外飯は美味しいに決まっているではないか。
また誘おう。