しばらく山にある家の改装工事を手伝っていた。
改装と言ってもほんの数㎡のガラクタで溢れた物置空間を
秘密基地として快適に使えるようにするだけのことだけれど。
おおがかりな掃除を初めとして、
朝から夕方まで正味8時間ほど働いていた。
それが丸4日ほどだった。
もともとこうした作業には苦を感じないけれど、
さすがに身体のあちこちが痛み、
帰宅してから二日は寝込んでしまった。
どうしてもできない配管工事などは仕方ないとしても、
天井や壁にしゃれた板を張り巡らしたり、
木の台を作ったりアイデア次第で出来るので自作が一番。
にわかチームの親方は大工のように頭の中で完成図を描く。
私は工具を出したり長い板を運んだりした。
これも時間短縮には重要な役割分担である。
何しろ労力はタダゆえ材料費だけで済む。
親方は私より大分若い器用な男だ。
私はその助手ってわけで働いた。
業者に頼めば簡単なのだけれど、
自分たちでやれることはやりたいからチームを組んだのである。
完成した基地は新しい杉板の香りに包まれ、
見た目も惚れ惚れするように美しかった。
自分たちでやったからこそ喜びは格別だった。