用事で行く途中に「何でも100円」と書かれた無人販売所がある。
そこが気になってからもう半年ほど経つけれど、
なかなか立ち寄る機会がなかった。
今日思い切って車を止めて覗いてみた。
辺りは広い田園地帯、野菜を求める人は私のように他所の人間に違いない。
きっとこの土地の人が余ったお野菜を日銭にしているのだろう。
納屋に似た屋根のついた掘立小屋に、細長い机がおいてある。
大きなナスが5本入った袋と、
大量のピーマンの入った袋が並べてあった。
玉ねぎも中玉だけれど6個は入っている。
ナスの袋は大分売れ残っていたが、ピーマンは最後だった。
よく見るとひとつひとつにラベルが貼ってあり、
「自家製堆肥で無農薬で栽培しました」と書かれている。
百円玉がなかったので困っていたら、
料金箱の横に古びれた両替機が備わっているのに気付いた。
恐る恐る1000円札を入れると、両替機はスーッと札を吸い込んだ。
硬貨がチャリンチャリンと音立てて落ち、
なぜかちゃんと機能してるんだと感動を覚えた。
そして、鎖のかかった料金箱にうやうやしく硬貨を入れ、
野菜を車に乗せ家路へ向かった。
安い高いは別にしてラベルの文字が気に入った。
また行こう。