朝の四時に起きて、五時に家を出た。
人はミッションがあれば無理なことだってできる。
人はひとりでは生きておらず、幾つかのしがらみの中で生きている。
だからこそ、生きているのだ。
本日のしがらみは、時計をなかなか理解できない小学生の子供だった。
この子をプール教室に間に合うように送り届けねば。
しがらみとは、たとえば、まず生きるための必須の仕事。
これは決して欠くことはできない。
仕事がないと人は毎日を過ごせない。
昔なら親の生業を子が継いだ。
仕方なく宿命のように。
だが、現代は何もかも自分で選べる。
しがらみは消すことができないから、
かえって複雑になった。
帰りの車中、「泥の河」という小説を聞いていた。
日本の作家は全く興味がないのに、
たまたま図書館にあったから、退屈しのぎのために借りたものだ。
朗読を聴きながら、あらゆる意味で環境が変化したと、
つくづくそう思った。
ただ変わらないのは縦に続く血のミッション、
これはどうしようもない。