近くに新鮮な野菜を売っているところがある。
このあたりは農家が多く、
その農家が朝採った野菜を並べて売るのである。
農家の人にとっては生き甲斐のような場所なのではないか。
自分で作った作物が収穫した日に目の前で売れるのだから。
ズッキーニやトマトなど、夏野菜がたくさん並んでいる。
安くて新鮮なので多くの買い物客が開店と同時に押し寄せる。
野菜には生産者の名が書いてある。
通ううちにその名を覚えてしまう。
今日は○○さんちのキュウリとマダケ、○○さんちのインゲンを買った。
マダケは売り物にならない細いものだけれど、
たった百円で10本はある。
きっと広い農家の裏庭のものか。
今夜はマダケとインゲンとさつま揚げの煮つけにしよう。
買い物した後は運動を兼ねて、
隣接した公園を必ずひと周りすることにしている。
そこには小さな沼のような湿地があり、
その周りを遊歩道がぐるりと回っていて、
大人のための運動器具も揃っている。
湿地には水生の植物もあれば、
ゴルフ場のグリーンのように刈られた芝生には、ネジ花の群落もある。
大きな木もあって、とにかく自然に満ち溢れている。
今日は半夏生を見た。
緑の木々の下の湿地にたくさん咲いていた。
聞くたびにいつも素敵な名だと思う。
ここに何度か来ているはずなのに、
半夏生の群落に気付かなかった。
半夏生の時期に来なかったのか。
初めての出会いだった。
日差しがとても強かったけれど、
半夏生を眺めながら、持ってきたお弁当を食べた。