買いたいものがあって出がけにネットで調べたところ、
隣町の大型店舗、いわゆるモールとか呼ばれる場所が最も近い場所にあって、
その中に目当てのお店があった。
ところが、別の場所で用があったため、
その帰りに行くには10キロ以上かかるので、
試しにその場所近くに同じ店がないか車のナビで調べてみた。
全国展開の大型店舗だからナビにはあるだろう。
なぜかネットでこの町にはなかったはずなのに、
その店が3キロほど行ったところの別のモールの中に出していたので、
遠回りするよりはと思い、何となく納得いかないままそこに向かった。
初めて来たそのモールは民家もまばらな田園地帯の中にあるのに、
駐車場にはたくさんの車が止まっていた。
馴染の名前の衣料品店や食べ物屋、映画館などもあり、
もちろん歯医者なども敷地内にあった。
近隣の人々が集まってくるのだろうか。
都会の映画館でさえ空席ばかりなのにと心配になる。
今や買い物はネットで済ますか、
こうした大型ショッピングセンターに行くかと限られてしまった。
少なくとも地方都市ではもう完全に商店街の歴史は終わった。
さて、車を止めて店の全体を見渡すと、目的の店の看板がどこにもない。
ナビではちゃんとあったのに、
やはり、行く前に調べたネット情報が正しかったのだ。
念のため店内に入ってユニクロの店員さんに尋ねてみたら、
今年になってその店は撤退したという。
車のナビは以前のままだからここに案内したのだ。
昨今の店事情は昨日まであったコンビニが消えていたりと世知辛いけれど、
こんなに何もかにも簡単に軽くなって良いのだろうか。
どっしりと腰を落ち着けた商売など遠い昔の話になった。
結局再び当初行く予定だった別のモールに車を走らせた。
まさかあの店も？と不安だったが営業中で安心した。
とはいえ、客と店員が同じ数ほどだ。
昨日あるものが今日あるとは限らない。
ここもいつかは撤退するのだろうか。
そんなことを思いながら買い物を済ませた。
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