町内のゴミ収集所にゴミを持っていったら、
ゴミが散乱していた。
生ゴミやチリ紙、その他諸々と飛び散っていて、何とも汚らしい有様だ。
ゴミ置き場の前の住人が気の毒でならない。
わが家のように生ゴミを出ださなきゃいいのにと思い、腹が立った。
ちなみに我が家はコンポストで土にしているから、
ゴミそのものが週1回もない。
ゴミ置き場には動物にやられないようにネットが被せてある。
でも、ネットは劣化したのかよく見ると穴が開いていた。
猫かカラスが食べられそうなものを見つけては、
その穴の隙間を大きくして、ゴミ袋を破ったのだろう。
ちょうど箒と塵取りを持ってきたので掃除をしていたら、
出勤前らしい住人が車を止めた。
ゴミ袋を手にして下りてきたその人は前にも見たことはあるが、
名前も知らない若い男性の住人だ。
スーツ姿の彼は私に挨拶をすると、
「すみません、時間があったらお手伝いできるのですが」とすまなそうに言った。
「いえいえ、大丈夫よ」と私は応えた。
この丁寧なやりとりが、
生ゴミの散乱で不快になった私の心を一変させてくれた。
ゴミ置き場の掃除などしなくてもいいのに、掃除道具を持って行った私。
そんな私に彼は何かを感じてくれたのだろう。
それだけのことなのに、私の行為が認められたようで嬉しかった。
来週も堂々と箒を持って行こう。
それとも紐を持って行ってネットを補修しようか。