ちよっとだけ留守した間に不在票が届いていた。
帰宅したのは夕方の六時を過ぎていたのに、
ドライバーに電話したら帰りに寄ってくれるという。
荷物の届く日はいつもなら家で待っているのだけれど、
ちょっとならと思って外出すると、不在票がこうして届いていることがある。
荷物を早く受け取りたいのは山々だけど、
配達員さんの手間を思うと胸が痛む。
そんな時、私が用意するのは缶コーヒーや缶ジュース。
夏の暑い時や、こうして不在をしてしまい二度来てもらった時などに準備する。
玄関チャイムがピンポンとなって、
御礼を言ってサインした後、さり気なく缶ジュースを渡すと、
ほんのちょっとしたことなのに、疲れ切った配達員さんの顔がほころぶ。
もし、私が運ぶ立場だったら、
こんな夕刻に配達させられ、苛立っているはずだ。
でも、ごめんなさいと言われ何かちょっと口に入れるものを頂いたら、
少しは心が和らぐだろう。
荷物を開くとしゃれた瓶に純米吟醸酒が入っていた。
知人が長野から取り寄せてくれたのだ。
前の日に電話で送る話は聞いていたが、翌日にもう届くなんて。
昨夜は配達人さんのおかげで、
早速、こくのある美味しい原酒を飲むことができた。