電車に乗ってきた年の頃は20代の子連れの女性、
誰も声をかけないので席を譲った。
「この子が重くて‥」と喜んで座り、
前に抱きかかえた子供の頭を撫でた。
その人がスマホを始終見ているので、
スマホは便利かと尋ねてみたら「はい」とうなづいた。
お財布がなくても大丈夫なぐらいなのだそうだ。
それにスイカを持ち歩いている」と言うと、
目をまん丸くして驚いていた。
彼女によると、写真はスマホを通して印刷も頼め、
切符は残金が少なくなると自動的にお金が補てんされ、
買い物をするとポイントが増えてそれで欲しいものが買え、
確かに一台で何でもできるのは便利だけれど、
その一台に問題があったら、かなりのダメージを受けることになる。
ネット障害や紛失、故障などが絶対に起こらないとは誰も言えない。
私は電話もカメラもGPSもすべて専用機を持ち歩く。
確かにかさばるけれど、一つが壊れても電源がなくなっても何の支障もない。
ネットに頼らない暮らし方も可能にしなければ。
携帯電話も地図も持たずに東京から大分県まで歩いている
スーパーボランティアの尾畑春夫さんと比べると、
私など足元にも及ばないけれど、
少なくともこの若い女性よりはサバイバルできるはずだ。