毎年この時期になると本棚と睨めっこする。
一体いつこれらの本を取り出しただろうかと、
ため息つきながらも多少は選別して粗大ごみにする。
なかなか本は捨てられないが、いちばん気が楽なのが教本の類で、
もう勉強する気がないのが分かっているから案外あっさりしている。
今までに分厚い辞書など何冊捨てただろうか。
そんな感じで選別していたら、英語の参考書が10冊以上出てきた。
何となくページをめくると、
初歩の文法本でさえ例文に出て来る単語の意味が分からない。
アンダーラインが引いてあるのに忘却の彼方だ。
自分の脳の退化にショックを受けた私は、
その本を捨てるためにもう一回だけ読み直してから捨てようと思った。
そして、読んだページの端を切っていき、付箋の代わりにすることにした。
以前は本にハサミを入れたり直接文字を書いたりすることはしなかったけれど、
余白には単語を何度も殴り書きして脳に刺激を与えることにした。
これで最後まで読み通したらきっとこの本は幸せに違いない。
そう思うと、お気に入りの
紙でカバーまでしてしまった。
どうしよう、捨てられなくなるかも。