秋になるとあちこちに可愛いキノコが顔を出す。
散歩の道すがらにも必ず何種類かのキノコの姿を見ることが出来る。
中には形態の美醜はさておき、
食用にできる美味なものもあって興味が尽きず、
この時期になると、わざわざ山に入って探し回っていた。
でも、キノコは同定が難しいものが多く、キノコ採りの名人さえ慎重だ。
キノコはあたったら死に至るほど恐ろしいものもあり、
致命的ではなくともその苦痛は耐えがたく、
素人は絶対に口にしない方が良いと思う。
恐いもの知らずだった私は、たまたま名人が近くにいたので、
その人が太鼓判を押してくれたものはほとんど食べてみた。
野生のキノコを料理する時は、えも言われぬワクワク感があった。
DNAに採取生活をしていた頃の記憶が残っているせいだろうか。
ところが、名人が太鼓判を押したのにタマゴタケだけは収穫できなかった。
赤い傘に点々さえなければ、間違いなく一級の食菌なのに。
それでも、タマゴタケは美しい赤い傘の色と、
根本にあるツボと呼ばれる白い卵の袋が私を怖気さす。
山を歩けば必ず出会う美しいタマゴタケ、
今年も鑑賞するだけにしておこう。
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