今年の夏は糠漬けをやってみた。
発酵食品が身体にいいというので、試したくなったのだ。
糠漬けに挑戦するには、スーパーのパーキングの片隅にある精米機を探し、
「糠はご自由にどうぞ」という張り紙を確かめて、
糠小屋の扉を開けるところから始まる。
精米機はお米を玄米から白米に仕上げる機械で、
削ったカスが糠として糠小屋に吹き落ちるようになっている。
この糠はほとんどの店も無料だからわざわざ買うことはない。
もらってきた糠に煮て溶かした塩水を加えたものが糠床となる。
その中にキュウリやナスなどの夏野菜を付け込んだら美味しい糠漬けに仕上がる。
暑い夏は塩分が必須で、糠漬けは食事以外にもよく食べた。
米のカスに野菜を入れて漬物にするなど、いったい誰が考えついたのだろう。
偶然の産物としても考えにくい。
そんなことに感心しながら、ひと夏の間、活躍した糠床。
毎日手を汚して面かき回すのは面倒だったけれど、おいしさが上回った。
でも、もう夏野菜が少なくなり、値段も高くなっている。
そろそろ糠漬けも食べ収めかな。