世間にはミニマリストといって
部屋に何も置かない達人たちがいるようだけれど、
どうしたらああいう風になれるのだろう。
私の部屋は雑貨屋みたいにモノで溢れている。
安物も高級品もごちゃまぜだ。
たとえばこの鉄瓶、重いのでどのくらいお湯が入っているのか分からない。
手入れを忘れると錆びてしまう。
だから、戸棚に仕舞ったきり。
でも、捨てられない。
更には手づくりが好きなため、ジャムの空瓶さえため続けている。
服の切れ端もリフォームしては生まれ変わる。
ここ何年も断捨離を目指してきたのに何ということ。
モノには一つ一つに存在の意味があるようで捨てるのは心苦しい。
もともとモノとは道具のことであって、
人間が他の生き物と違うのは道具を使うことにある。
その道具を作る道具も作ってきた。
骨で針を作っていた先祖の苦労を思うと、モノは捨てられない。
でも、なぜか断捨離を目指してからこの方、人は捨てることができたみたい。
何となく付き合っていた人たちが周囲にいなくなっている。
動物も人も群れを成すけれど、この年になったら無理して群れを成すこともない。
そう思うと、私の断捨離はかなりうまくいってるのかもしれない。