朝目覚めると、色鮮やかなレモンイエローの大きな花が、
窓の向こうからこの目に飛び込んできた。
庭の片隅に勝手に芽を出したカボチャの蔓に花が咲いているのだ。
いつもの年なら幾つか美味しい実をつけ、食卓を飾るのに
今年は酷暑のせいかなかなか実らない。
けれど、塀に絡んだ生命力いっぱいの緑のうねりを
切ってしまう気にはならなかった。
その勢いの凄さが健気すぎるのだ。
そんなカボチャが今朝は四ついっぺんに大きな花を咲かせている。
まるで私を喜ばせるために開いてくれたようだ。
たぶんこの花たちも今夏は実らないと思う。
けれど、たとえ実がならなくても美しいものは美しいし、
その生命の歩みに心動かされる。
切らなくて良かった。